「ストレンジネス核の生成・崩壊スペクトルと核物質中のハドロン」
               開催日: 9月2日(月)〜7日(土)
        場所: KEK東海キャンパス・東海1号館227号室


  滞在者:赤石義紀(理研/日大理工)、井坂政裕(理研)、小池貴久(阪大RCNP/大阪電通大)
      新村昌治(岐阜大)、明孝之(大阪工業大)
  世話人:原田融(大阪電通大 、KEK理論グループ客員)、土手昭伸(KEK)


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【スケジュール概要】
9月2日 (月) 午後 共同研究(原田、新村、小池、土手)
9月3日 (火) 午前 共同研究(原田、新村、小池、土手)
        午後 共同研究(原田、新村、小池、赤石、土手)
        13:30−15:00 公開セミナー
9月4日 (水) 午前 共同研究(原田、新村、小池、赤石、土手)
        午後 共同研究(原田、新村、小池、赤石、土手、井坂、明)
        13:30−15:00 公開セミナー
9月5日 (木) 午前 共同研究(原田、赤石、土手、井坂、明)
        11:00−12:30 公開セミナー
        午後 共同研究(原田、赤石、土手、井坂、明)
        15:10−16:40 公開セミナー
9月6日 (金) 午前 共同研究(原田、土手、井坂)
        午後 共同研究(原田、土手、井坂)
9月7日 (土) 午前 共同研究(原田、土手)
        午後 共同研究(原田、土手)

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【公開セミナー】

・9月3日 (火) 13:30-15:00
 新村昌治(岐阜大)

 「ハドロン間相互作用と2ハドロンの共鳴状態」
 (スライド1スライド2)

 バリオン・バリオン(BB), メソン・バリオン(MB), メソン・メソン
 (MM)相互作用をハドロン交換モデルで統一的に記述し, 2体の共鳴状態の
 存在について議論する。とくに, 反K粒子とバリオン(K^{bar}N, K^{bar}Y),
 反K粒子とメソンの共鳴状態(K^{bar}pi, K^{bar}K)について議論する。













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・9月4日 (水) 13:30-15:00
  赤石義紀(理研/日大理工)

 "On the two-pole interpretation of HADES"

 Lambda(1405)の質量と幅の決定は, ケイオン核の研究にとって本質的に
 重要である。最近, 3.5 GeV p + p 反応によるLambda(1405)生成のデー
 タ(HADES data)が公表され[1], それに対して two polesの立場からの
 解析も行われた[2]。本セミナーでは, この解析を検討した結果を報告
 する。その中で, 同じ HADES data を扱った我々の論文[3]との物理内容
 の違いを明らかにする。
 [1] G. Agakishiev et al., Phys. Rev. C87 (2013) 025201.
 [2] J. Siebenson and L. Fabbietti, arXiv: 1306.5183v1 [nucl-ex].
 [3] M. Hassanvand et al., Phys. Rev. C87 (2013) 055202.












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・9月5日 (木) 11:00-12:30
 井坂政裕(理研)

 "Structure of p-sd shell Lambda hypernuclei modified
 and probed by Lambda hyperon"

 本講演では, 主にp-sdシェルΛハイパー核を中心として, Λ粒子による
 核構造の変化やΛ粒子をプローブとした核構造研究について, 反対称化
 分子動力学(AMD)計算に基づき議論する。p-sdシェル領域の通常核では,
 基底・低励起状態にクラスター構造や三軸非対称変形, シェル・クラスタ
 ー構造の共存など, 様々な構造が現れることが知られている。そのため,
 Λ粒子が加わることで, 元の核の構造の違いにより, 様々な核構造の変化
 が起こると期待できる。本講演では, BeやNe等のハイパー核で予想される
 核構造変化を示すと共に, Mgを対象として, Λ粒子をプローブとした,
 芯核の三軸非対称変形の研究の可能性について議論する。













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・9月5日 (木) 15:10-16:40
 明孝之(大阪工業大)

 「テンソル最適化殻模型による軽い核での核力の役割」

 核力の特徴の一つに, パイ中間子交換力を起源とするテンソル力がある。
 本研究ではテンソル力に焦点を当て, 核構造に果たす役割を解明したい。
 テンソル力を扱う核模型には, テンソル最適化殻模型(tensor-optimized
 shell model, TOSM)を用いる。セミナーではTOSMをHe, Li, Be同位体へ
 適用し, これら核の励起準位, 配位構造におけるテンソル力の働きを議論
 する。